2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧
03.正臣の朝の日課 ジルが鷹司家に来てから数日が経過した。 彼女は大人しい女性だった。 1度、部屋まで様子を見に行ったのだが、 静かだった。 というか、何もせず1日中ぼんやりしているらしい。 ベッドに座り込んだまま夜が過ぎたと聞いた時は流石に焦りを…
02.虐げられた彼女 兄からの説明に絶句した。 実の父親に殺されかけ、 預けられた施設では日常的に職員のサンドバッグになり、 やっと見つかった新たな家族に衰弱するまでに暴力を受けた。 そうしてやっとまともな俺の兄に拾われたということか。 ぼろぼろの…
01.兄の気まぐれ いつものように自室で読書に耽る。 夕食も終えて、いつもならいつ帰宅するか分からない兄が珍しく早くに帰ってきたことを知らされた。 兄は俺の自室に入ってくるなり開口一番ににこやかに俺に言い放った。 「拾いものをしたんだ、仲良くして…
00.無機質な世界(鷹司正臣視点) それは幼い頃からそうだった。 「あいつはいつも1番だ」 そう言われ続け、事実…俺は常に1番を手に入れていた。 …そう、例え望まない1番だとしても。 周囲からの期待に俺は苦労することなくこなした。 けれども、そんな人生に…
00.血に塗れた世界(ジル視点) 鈍い音が響いた。 少し前に意識を手放したことを思い出し、薄く目を開くと… 男が怒り任せに自分を蹴り続けている姿を確認した。 狂ったように、自分を嬲るその男に私はゆるりと微笑む。 私を虐げることで、あなたは幸せになれま…
君を守りたくて(鷹司正臣×ジル) 鷹司正臣 藤城学園高等部の生徒で藤城四天王の1人。 大抵のことはそつなくこなせる上に、それを鼻にかけることなく誰に対しても優しく穏やかに接する紳士。 学園内にも女子生徒からとても人気を集めているが、本人は何故自分…
不破渓士×桐生炎(夢小説) 桐生炎 藤城学園中等部三年生。 小学生の頃から付き合いのある不破のことを兄のように慕っている。 不破の祖母と彼女の祖母が仲が良いため、幼い頃から不破家にはよく出入りしており、しかし、不破の姉たちより弟の不破といつも一緒…