RUN③(熱斗×炎山)

3.殺される一歩手前
片目が見えなくなった
虐待してくるあの女の所為
今まで常に従い続けてきたけどこれはあんまりだと思った
至近距離の感覚がつかめない
そして今日も手を火傷してしまって…
『炎山様、大丈夫ですか?』
「ああ、…痣が出来てしまったな」
『…目立つ所に出来てしまいましたね』
そのブルースの言葉に俺はため息を吐く
これじゃ熱斗に会えないな…
「約束を破るのは残念だが仕方ないな、ブルース」
『はい、急用が出来た、と伝えておきます』
「すまないな」
『いえ、』
とりあえず、どうしようか
こんなんじゃいつまでたっても彼に会えない
傷が最近酷くなってきたしな…
『炎山様!!』
「どうした?ブルース」
ブルースが慌てて戻ってきた
どうしたんだろうか…
『社長が、社長があの女と…離婚すると言い出したそうです!!』
「!………なぜ??」
『分かりません、ですが…』
ブルース、嬉しそうだな
そう言おうとして口を閉じる
だって、俺だって嬉しいから
きっと失明した俺の片目の事で行動を起こしたんだろうな
父さんなりに俺を守ってくれているんだ
理由がどうあれ、俺は助かった
『炎山様、光熱斗からの伝言です。「あんま無理すんなよ?」だそうです』
「そうか」
でも、この調子だと来週あたりには会えそうかもしれない
よかった、父さんに感謝しないとな
バンッ
『「!!」』
入ってきたのはあの女だった
『ノックもせずになんのようだ』
ブルース静かに怒りを爆発させる
だが、
「ナビに用はないわ、こちらに来なさい炎山」
「…はい」
『炎山様!』
「大丈夫だ、ブルース。…少し電源落とすぞ?」
『……はい』
ブツッ
+++++++
『クソッ、なんなんだあの女は…!』
炎山様を苦しめてそんなに楽しいのか!?
奴にナビがいれば瞬殺していたところだ
炎山様…
主を守れない不甲斐なさ
あの方は優しいから何も言わないが…
『オペレータを守れないなど、情けないにもほどがあるな…』
サポートし、守るために生まれてきた俺が
守れないでどうするんだ…
『炎山君なら大丈夫だから心配しなくて良いよブルース』
『!!ロック…マン?』
『やあ、会いに来ちゃった。熱斗君なら炎山君のところだよ』
『なっ…なん、だと…!?』
『……………大丈夫だよ、ブルース』
『………』
**********
「ッぅ…」
「これが最後だと思いなさい」
「ッくぁ…!」
息が出来ない
これが最後だからか
いつもより苦しい
この女、俺を殺す気か??
「分かった、かしら…?そうよ、私の全てを奪ったあなたを殺すのよ」
「くっは、ぁ……」
ごぽ、という音がした。
窒息死してしまうかもしれない…
「ぁ…っ!!」
クルシイクルシイ…
助けて、死んじゃうよ…―――母さん
「さようなら、炎山―――――」
「ッ!!!!!!」
もう二度と彼に会えない
その恐怖に俺は押しつぶされそうになる
―――――――熱斗、会いたかった…最期、ぐらい
「うぁ!!」
「!?……っ!…ごほっかはっ」
叫び声は俺のものではなくて…
!!
ね、…と…?
「何してんのオバサン?炎山に」
「いっぁ」
ギリギリ…と腕をねじ上げる熱斗がそこにいた
咳き込む
床に座り込むと、口から血が溢れた
しんど…
殺す気か、元母親よ
「…出てってくんない?あんた、殺すのやだし」
ドンッ
「ッ…」
声も出ずにその女は出ていく
怖かったんだろうな、子供にあんな目に遭わされて
「炎山!!大丈夫か!!?」
「だ、い…じょう、ぶッ」
何とか言葉を紡ぐけれど吐血が止まらない
うぇ、気持ち悪…
ロックマン!!炎山、やばいんだ、救急車!!」
『ぇえ!?大丈夫!!?すぐに救急車呼ぶね!』
『炎山様!炎山様!!』
熱斗ロックマン、それとブルースの取り乱した声が聞こえた
意識が朦朧としているからよく分からないけれど
せっかく熱斗に会えて
ここであっさり死ぬんだろうか??       10.09.03.金
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これはもっと乱暴的な話だな。
ミクシィでも書いたけど、
熱斗はこんな怖い子じゃないとか、
女の人怯えすぎじゃないか、とか
突っ込みどころ満載だけど・・・
これはこれで満足した結果です。
三年前に書いた小説だけど・・・
結構私の中では新しいかな、