光熱斗葉×伊集院炎 (パラレルss)

1. 天使と悪魔
下界に降りて任務をこなす
任務の内容は…
【ダークコアの吸収】
「そんなもの手に入れてどうするんだろう…」
とりあえず下界に降りて…
まだ小さな悪魔の羽をはばたかせ降りていく炎
それに連なってついてくる従者デビルブルース
あともう少しで下界―――人間界だ
ヒュゥ…
「?」
(風向きが変わった…この空気、天使界から??)
エンジェルの住む世界―――天使界
堕ちない様に気を付けなきゃエンジェル達の餌食になってしまう
天使が怖い炎にとってはとても慎重な場所だった
しかし…
「きゃぁっ」
「お嬢様!!」
幼い炎の身体と羽では風に勝てるわけもなく、
上空から見守っていたブルースはすぐさま近寄ろうとしたが…
ヒュォン…―――
「ッ!?これは、ホーリースター…、か?」
上空からの敵相手に主に、ドラゴンやデビル、羽の持つ種族を敵とする天使族の定番の術だった
案の定、天使界のゲートから無数のエンジェルガーディアンが出てきた
ヒュッ
カスンッ
「きゃあぁッ」
「お嬢様!!…くっ、黒龍・召喚!」
ブルースは魔物を召喚させ、ガーディアンの意識をそちらに向かわす
そして、
「炎様!ご無事ですか!?」
「う、ぅ…羽、が…」
「これは…酷いお怪我だ。すぐに治療を」
すると今度はゲートから二人のエンジェルが出てきた
ガーディアンではないがすさまじい力を感じたブルースは緊急用ワープを炎の足元に作り出す
そしてブルースは単身、二人のエンジェルに向かう
しかし近づくにつれそれは一人になった
幻影に気付いたブルースはあわてて後ろを振り向く
そこにはワープゾーンの中から引っ張り出そうとしているエンジェルがいた
危険だ、そう思った時には既に遅く
ワープは炎と一人のエンジェルを巻き込んで消えた
舌打ちするブルース、そして
「滅しよ、我が敵を破壊しつくせ!!!!」
一瞬ですべてのガーディアンは消えた
しかし、
「強いね、君」
背後を取られる
しかしブルースもそこまで間抜けではない
瞬間移動し上空へ飛び立つ
そして冥界のゲートに入った
「残念、またね」
背後の声を無視して早々にブルースは炎の母親である現冥王に知らせに向かった……
2. 傷だらけの身体、へしおれた羽
人間界―――
人里離れた樹海の中…
そこに、二人の少女は堕ちた
一人はデビル界の王女、伊集院炎
もう一人はエンジェル界の王女、光熱斗
どちらも強力なエネルギーをもつ存在だった
そして、ワープした先での出来事は
「…っ、」
炎は致命傷を受けていた
ぼろぼろになったからだ
羽は弱弱しく、とても飛べたものではない
(痛いよ…ブルース、どこ…?)
自分に絶対の忠誠を誓っていた従者はいない
自分を守るためにワープゾーンを張ったのだ
仕方がないこと
けれど、
「いたたた…」
「!!?」
ぼろぼろの身体
そして、自分とは正反対の…種族・エンジェルがいた
白い羽だった
(ど、どどどどうしようっ!!?)
慌てふためく炎
こんな時、彼は…ブルースは、どうしただろう?
迎え撃つだろうか?
でも、戦いたくないし
「ん?あれ、あんた…デビル??」
「…………」
エンジェルがどんな種族なのかは知っている
悪であるデビルを忌み嫌い、正義を貫き通す
そして、自分達が守るべき存在である人間を愛する慈愛に満ち溢れた存在
端的に言えばデビルである自分の敵
なのだが、
「て、わぁッ!!?羽、折れてんじゃん!!」
「え、あ、うん…」
「たたたた大変!!治さなきゃ!って、デビルの治療って同族しかむりなのかなあ?」
「え、そんなこと…ない、と、思う…けど」
自分よりパニックになる少女を前にして冷静になる
何というか、エンジェルというのはみなこうなのだろうか??
「じゃあ、【ライトヒーリング】!!」
少女がそう叫ぶと突然炎の周りを光が包み込む
そして、
「傷、治った…?」
「やったね!!……でも、羽…」
「?」
「なんか、変…?」
「???」
青白く光る羽
それを見詰めて炎は困ったような顔をする
「えいっ」
「!!?」
術を使ったのか、突然その青白い羽が消えた
「ふぅ、これで大丈夫」
炎は自分を助けてくれたエンジェルを見詰める
優しい天使
「あの、ありがとう…」
「ん?良いって、困った時はお互い様??って奴だし」
にこりと笑う少女
すると、突然思い出したようにうーん…と唸る
「?」
少女はつぶやく
「でもさ、私達って種族上敵なんだよね」
「!」
助けちゃってよかったのかなあ、と呟く少女に炎は
「別に、今ここで戦っても良いよ?」
「!…なんで?」
「だって、敵だし。それに…私は勝つ自信があるから」
そう言ってもやはり無抵抗な相手を始末するのには躊躇いがあるのだけれど
そんなだからこそいつまでたってもデビル界の上に立てないのだろう
けれど無益な争いは避けたい
そう、思う自分がいる
「ふぅん、でもさ、戦うのっていたいから嫌」
「!!」
「だって、いたいもん。貴方だって痛いのは嫌でしょ?」
そういう理由で終わらして良いのだろうか…
「そんなことよりさ、仲良くしよvその方が楽しそうだしvv」
「ぇえ?!」
突拍子な少女の言葉に炎は驚く
仲良く?
他種族、しかも敵であるエンジェルと??
そんなことは考えたこともなかった炎はびっくりした顔をしている
「私さ、他の種族に会ったことなかったからよく分かんないんだけどさ…なんていうか、貴方となら仲良くなれそうな気がする」
その言葉に炎は益々驚く
私となら仲良くなれそうな気がする??
そんなことを言われたのは初めてだ
「そ・れ・に、気に入っちゃった♪」
「はい…?」
「すごい可愛いじゃんvv」
「えっ!?」
またも問題発言
気に入った?
可愛い??
気に入られてしまった…
というか可愛いって……
……………………………//////
「あ、照れてる?かーわいい!」
ぎゅぅっ
「ひゃ!?え、あ、あのッ……」
突然抱きつかれ悲鳴を上げる炎
何というか何から何まですごい天使だ
デビルの私をそんな風に
思って、くれる…なんて
「ね、友達になろうよ。いいでしょ?」
「う、うん//////」
嬉しかったの
友達になってくれるなんて
嬉しくて、
「じゃ、きっまりー♪」
上機嫌にそういう貴方が
なんだかすごい気に入った
私、強くならなきゃ
だって、この天使と一緒にいたいから
優しくて頼もしいエンジェル
初めての友達
「ほらっ、いこ炎!」
「うんっ」
そう言って私の手を引っ張ってくれる貴方
優しくて、心がふわふわする
お友達、
そして…自分を変えてくれた人―――――   

―――――
熱炎の女体化、かな
自分を必要としてくれる存在
本当の意味での友達

私にもそういう友達が出来た、そんな気持ちの小説