ロックマンエグゼ:メイ炎

またもメイル×炎山…
***
「世の中、どうか…してるわ…ッ!!」
1.彼女の受難
そりゃお友達は大切よ
掛け替えのない仲間だもの
でも、
でもね…
「あっ!メイルちゃん、おっはよ〜」
「お、おはよう…熱斗
「ねえねえ、授業終わったら俺とデートしようよ♪」
「・・・おけいこがあるから」
「ちょっとだけだからさっ、ね?」
幼馴染の熱斗
昔からだけど私にデートを誘ってくる
嫌じゃないのよ
昔はよく快く受け入れてたし
でも最近は、
「抜け駆けは許さんぞ、熱斗
「げっ!何でライカが学校に来てるんだよ!!」
「ふん、そんなことはどうでも良い…メイル?」
「呼び捨てしないで」
「ふ…つれないな」
貴方につれてどうするのよ
というか私は貴方のことこれっぽっちも知らないんですけど
最近熱斗が可笑しい原因はこれ
この変態のせいで…
「今から俺のホテルに来ないか?」
非常に危ういわね
何か間違ってるわ
「…」
熱斗?」
「メイルちゃん!!」
「キャアー!!」
飛び掛られ必死に逃げる
危険よ、ここも
逃げないと…
***
「それはご苦労様」
「本当にあの二人どうかしてるわ」
何とか安全地帯に避難した私
熱斗の友人兼ライバルである伊集院炎山君
彼は熱斗やライカ君みたいに変態じゃないしましてや私にその気なんて…欠片もない
(辛い話ね…)
好きでもない相手には好かれ、自分が好んでいる相手には一切恋愛対象として見られないのは皮肉なものだ
だからこそ私は彼を愛しているのだけれど
そう、常に私を助けてくれるナイト
大袈裟かもしれないけど私にとってはそんな人
「桜井?・・・気分でも優れないのか?」
「・・・大丈夫よ、ありがとう」
優しいし誰よりも頼もしい
少し冷たい人と見られがちだけど
私にとっては誰よりも優しくて大好きな人
「・・・、そうか。分かった、……桜井?」
ああ、折角の大切な一時が終わってしまう
「そろそろ帰っても大丈夫だ」
貴方の傍にいたい
もっと、もっと・・・傍に
でも、いられないのよね…
「そう…有難う、…伊集院君」
名を呼べない
それは・・・ただの知り合いだから
友達でもない
幼馴染の友人
それだけ
「…あっ、桜井!」
「…え?」
部屋を出て行く寸前に引き止められ後ろを振り向く
そこには茶目っ気が入った表情をしている彼がいた
今まで見たことない楽しそうな顔
決して熱斗の知らない…
「これ、届けといてくれるか?」
誰かとはいわない
分かってるもの
ああ、なんて皮肉
私はこんなにも貴方を見ているのに
その愛らしい笑顔も全て違う人に向けられているなんて…
愛しい人へ、私は貴方を酷く愛してます―――  
***
これさり気に炎熱?
いやいや、炎山が攻めとかはありえないから…
あるとしたら熱炎?
熱炎←メイ??